コンフォートゾーン

“コンフォートゾーン”昨年から私が頻度に使用している言葉です。仕事でもスポーツの世界でも使われる言葉です。スポーツの世界では“HIパフォーマンスゾーン”とも言われています。

私は社員に「現状のコンフォートゾーンから脱却しなさい。」こんな言葉を投げかけています。何故ならば現状のコンフォートゾーンからの高い目標達成は有り得ないと考えているからです。

コンフォートゾーンとは最も自分の能力が発揮できる領域(詳しくは後に説明します)です。その領域から高い目標を設定、挑戦してなぜ達成が有り得ないのでしょう・・・?コンフォートゾーンを「人が原因と結果に関して十分な知識を有しているまた、ある行動に対してどのような結果が予測されるのか十分な知識を有している領域」と定義します。

*『ザ・チョイス』エリヤフ・ゴールドラット博士の著書より引用

とした場合、このコンフォートゾーン(満足領域)は自らの知識、経験、五感、感性などによる価値観から成り立っています。すなわちその人が持ち備えている“常識”というモノサシで判断される部分です。自らの常識で認識できる範囲ですから最も居心地良く、力を発揮する事が出来るのです。

 人は低い目標に対して達成しても感動や成長感はありません。高過ぎる目標はやる気すら起こりません。ですから自分が出来るか出来ないかギリギリの線(私流に言うと1.3倍以内)を目標とします。これが“常識の範囲内”などといわれます。でもこのような目標では今までの行動は殆ど変化しません。やる前から結果が予測できるからです。

高い目標とは今までの常識から判断できないようなことを言います(私流に言うと2倍位)、ですから今までのコンフォートゾーンに収まっていれば防衛本能が働き、出来ない理由が先に出てきます。今までの常識では結果が予測できないからです。(経験の無い状況では原因と結果の関係はあくまで自らの経験に基づいて推定したものに過ぎず、その推定には欠陥が存在している事がよくあるからです)

では、良好な結果が予測できるような新しい“コンフォートゾーン”を持てば良い事になります。新しいコンフォートゾーンを作るためには新しい知識・経験。五感、感性を注入してあげれば良いのです。そう実体験でなくても良いのです。

 人間の脳は「実体験」と「仮想体験」を区別する事が非常に難しいのです。より強く思うほうに行動は振れるのです。ですから「仮想体験」を積むためにすでに起こった未来を体験させるのです。(これが当社で行っているエクスペリエンス研修です。)非常識を常識化するまで自らの脳を洗脳していくのです。ちょっと危ない話に近づきそうですが急速に激変する時代には必要不可欠な方法です。

私がチーム監督を務めている実業団自転車競技チームDOKYU RCのトップ選手たちも現状のコンフォートゾーンを超えて高い目標を設定し挑戦する事が出来るために高成績を収めています(私から見ると異常と思える位のモチベーションです・・・笑)。

コンフォートゾーンという言葉が少しお解かりいただけたでしょうか?、

「社長夜間セミナー」ではこんなテーマの研修も行っています。
# by dokyu-nakanishi | 2009-04-06 05:04 | 日々想う事(感性を磨け)

今日は私の経営バイブルを紹介します。

私が経営のバイブルとして愛読しているのがA・Hマズローの「完全なる経営」、2001年に発刊された本ですが、この著者であるマズローが立てた問いは「いい人間とは何か、いい社会とは何か、いい経営者とは何か」というもの。全450ページというボリュームたっぷりの充実した内容です。私の聖書みたいな本なんです。

ちょと内容に触れてみましょうか・・長くなるかも・・

まず、ここでマズローは“いい人間”を解明するキーワードはマズローは「健全な人間は仕事を通じて成長し自己実現に向う」と述べてます。

 仕事と人間の関係は相互に影響しあうものであり、優秀な人材がきちんとした組織に加われば、まず仕事が個人を成長させ、次に個人の成長が企業に繁栄をもたらし、さらに企業の繁栄が内部の人間を成長させるのです。

 そして、マズローはこの文中で常に“完全なる人間(魂のめざすのも)”この本を引用しています。これは1998年に発刊されたマズローの著書ですが、1950年代〜60年代のマズローの人間科学の研究によるものから導き出されたマズローの人間学の原典です。

 もし、皆さんがこの「完全なる経営」をお読みになるのであれば先ずこの「完全なる人間」をお読みになってマズローの人間科学における「成長と自己実現の心理学」を理解する所から始める事をおすすめします。

 私の経営理念の解説に「欠乏動機、成長動機、至高体験、ホメオスタシス」等の言葉が頻繁に出て来ますがその語源はこの著書からの引用であり定義づけする事でその言葉の持つ意味をぶれないようにしています。(広辞苑などでは言葉の持つ本来の思想が定義できない)

次に“いい会社、いい社会”を紐解くにはマズローのシナジーの定義を理解しなければいけません。マズローはこのシナジーを12項目に分類し定義を検証しています。

 その元となるのがルース・ベネディクトの「シナジーとは利己主義と他利主義を融合せしめる社会的・組織的な仕組みのことであり、対立性及び両極性を乗り越える事によって、利己主義と他利主義とい二分法が解消され、両者を超越した高次元の新たなまとまりが形成される。これは、自分自身の利己的な満足を追求することが自ずと他者を助けることにつながり、逆に愛他的な行動を取る事が自分自身の利益と満足につながる、という組織上の仕組みによって可能となるものである。」と述べています。このルース・ベネクトの定義をマズローは多面的に考察し二分法の超克や楽しみを語りわかりやすく定義しています。

A・Hマズローと言えばピラミットの絵に書かれた「5段階の欲求説」を思い浮かべるでしょうがマズローが1970年に他界されるまでに人間の心の問題を深く捉え、人間主義的アプローチから生み出された「人間主義経営哲学」を混迷した時代の理想郷としてマズローが希求した完全さであります。私がこの本に出会ったのが2002年、でも本当にこの本を理解できたと思えたのは最近なんです。7年間この本と共に歩んできました。物凄く奥の深い内容です。

今、私はもう一度この経営哲学の原典にふれ、厳し混迷の時代を生き抜くバイブルとして管理や生産性に縛られた「合理的主義経営」からの脱却を誓い「従業員のための従業員の企業」を目指し「人間主義経営」の実践に取り組んでいます。この内容が少しでも経営者の皆様の参考になればと思っております。

           ・・・・やはり長い文書になってしまいましたね、でもこれを語ったら永遠に終わらないかも・・・(笑)

A・Hマズロー著:完全なる人間(魂のめざすもの) 上田 吉一訳

A・Hマズロー著:完全なる経営 金井壽宏監訳 大川修二訳

                                より・・・
# by dokyu-nakanishi | 2009-04-03 00:04 | 日々想う事(感性を磨け)

お客様思考宣言(サービス哲学編)

【お客様思考宣言】(Customer idea declaration)

お客様思考宣言

私たちが全ての仕組みを実践することによってお客様はいつでも新鮮で、季節感あふれる真心のこもった料理を味わえるだけでなく、トータルな食の楽しさ、素晴らしさを体験できると私たちは確信します。もし、私たちの決めた品質と素晴らしいサービスが提供されていなければ、それは“どうきゆう”ではありません。私たちは、それがあるべき姿になることを確信しています。『お客様の満足』それが、私たちの究極のゴールです。

*どうきゆうイズム(心のありかた)  『お客様思考宣言』は私たちの“心のメッセージ”です。このメッセージを商品やサービスを通じて私たちは伝え続けていきます。

 私たちが実践する全ての仕組みとは、お客様に対して満足を実現できるCSマネジメントシステム(CSMS)によるPDCAサイクルの実践にあります。

 私たちが描く“あるべき姿になることを確信”とは、私たちのすばらしい人生を実現してくれる大切なお客様の期待と要望を的確に捉え、常にお客様に感動を提供できるよう進化していく継続的な改善に対するコミットメント(約束)です。

 私たちの究極のゴール「お客様満足」とは、お客様から“どうきゆうはなくてはならない存在”と言って頂けることです。私たちの存在が沢山のお客様の笑顔に直結することを願って、志を一つにして常に挑戦する魅力ある人間を目指していきます。

 私たちはこの気持ちを時代がどんなに変わろうとも、世の中がどんなに進化しようとも、永遠に守り続けていきます。どうきゆう従業員一同



 どうきゆうの「お客様思考宣言」とは、お客様に対して私たちが決めた品質と素晴らしいサービスを常に提供することが、私たちの使命であり“お客様と私たちが人生観を共有し、お客様とどうきゆうが同軸上に存在すること”という心のあり方(イズム)を示唆しています。

 この文書は1994年に当時の「100名ディスカッション」によって作られたものです。従

の思いが凝縮されたこのイズムは時代がどんなに変わろうとも変わることがありません。その精神を基に“私たちの究極のゴール”は進化し続けます。
# by dokyu-nakanishi | 2009-04-02 06:04 | どうきゅうクレドバイブル

4月より下期の臨店が始まる

昨日は各店の臨店日、「まいどおおきに栄町店」でサバの味噌煮、五目煮、味噌汁、御飯を食べてお店のオペレーションチェック、続いて「元町店」でサバのみそ焼きとジャンボとり照り焼きにすき焼き丼を食べて・・・最後に白石店で杏仁豆腐を食べて、夜は旬屋でお寿司とお刺身、焼き鳥のチェックとアドバイスこれで今日の臨店と試食は終了。

何故そんなに食べるの?と思うでしょうが、お店に入店したらお客様と同じ行動をとるのが一番そのお店を知る事ができるんです。実際におかずを取って味や量、盛り付けの確認、御飯やお味噌汁を注文して従業員と会話をしてオペレーションをチェック、食事をしながらテーブルの汚れや、座った位置からのお店の見ががり等お客様の立場にたった視点で居心地感を確認。SVでは見る事が出来ない部分を入念にチェック出来るんです。

お店に来店されるお客様の中で私が一番わがままなお客さんでしょう(笑)。その私を満足させる事ができたら他のお客様はきっと喜んでいただけるはず。妥協をなくしてとことんお店でわがままを言って帰る。これも私の大切な仕事。

昨日はその途中で北26条にある花屋さんで“アザレア”と“くちなし”の鉢植えを購入。

会社の入り口に花を飾りたかったのでちょっと物色、花屋さんに行くと沢山の鉢植えがあり迷ってしまったんですが一番先に目にとまったのがアザレア、7分咲きなんですがピンクの花びらがとても綺麗、一番に決定、次にちょっと開花の時期をずらしてと思い蕾の多いくちなしを購入、ほんのりと甘い香りがします。

今日は午前中に販促セミナーを開催して午後からは「とんかつ玉藤」臨店でとんかつ三昧と新製メニューの試食、里塚食堂で麺類の試食。本社に帰って来て第5回目の感動研修のメンバーと視察店舗の打ち合わせ、と「クレドコーナー新設の打ち合わせ」夜はトレーニングルームで自転車の練習、こんな感じで今日の一日は終わるのかな・・・・?。
# by dokyu-nakanishi | 2009-04-01 23:04 | 日々想う事(感性を磨け)

新しいカテゴリー

今日はブログに新しいカテゴリー「どうきゅうクレドバイブル」を作りました。

もうご存知の方は多いと思いますが、クレド(CREDO)とはラテン語で「信条」という意味です。どうきゅうでは、企業哲学とサービス哲学を「どうきゅうクレド」と呼んでいます。

企業哲学には社長の想い、どうきゅうの思想、哲学が要約されています。サービス哲学には思想や信条を実践するためにサービスの理想的な姿勢や形が具体的に箇条書きされていますこの「どうきゅうクレド」を紐解いたものが「どうきゅうクレド バイブル」としてわが社の中期経営計画書に添付され全社員が持っています。このクレドバイブルは日々進化していきます。

新しいカテゴリー「どうきゅうクレドバイブル」ではこの内容の一部を順次紹介していきますがこれが“宇宙”のように膨張し続けているんです。現在は第2版ですが、今日もこれに「DOKYU CRAZY AWARD」が追加になりました。

“CRAZY AWARD”って何?

 直訳すると「クレージー(気が狂ったよううな)賞」と言うことですが、

どうきゅうでは、喜びの原点は「ほめられること」にあると考えています。人は褒められる事によって最大限の力を発揮し、成長しようとする向上心を持つことで次のステップに挑戦する事が出来るのです。

そこでどうきゅうでは“常に挑戦する魅力ある従業員”(企業哲学、従業員の約束より)の成長を後押しする仕組みとしてこの「DOKYU CRAZY AWARD」を導入しています。

〜Oh!お前は正にクレージーだ。そこまでやるのか!〜

どうきゅうではそんな社員を応援してます。・・・でも一番社長がクレージーかも(笑)
# by dokyu-nakanishi | 2009-03-30 08:03 | 日々想う事(感性を磨け)


中西 泰司
(なかにし たいじ)

株式会社どうきゆう社長。自転車レースチームの総監督でもある。

実践で培った経営・人材セミナーは社の内外を問わず人気。


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