日本の国際化

海外の仕事をしていて改めて感じるのが海外での日本人の活躍です。

 「グローバルスタンダード」と言われたときに、私はすぐに日本の企業の海外進出、日本人の海外での活躍というイメージがとても強かったです。それは私たちが日本という国の中から物事を見ているに過ぎないということが最近気が付いてきました。

 グローバルスタンダード・・・実は日本がより国際化している。国際社会のルールや習慣の中で日本の企業が生きていかなければならない実情がもうそこまで来ているということです。これは大手の企業だけの話ではなく私たち中小企業においても直面する大きな環境の変化であることを認識しなければなりません。

 「外から見る日本」もう少し狭義にお話をすると「海外から見た日本企業(内需型企業)」という視点で自社が今後21世紀においてどのような影響を及ぼすか、その環境は自社にとって脅威と捉えるものなのかを判断しなければなりません。そのためには海外の内需型企業の同行を把握していく必要があります。

 なぜならば、 国際ルールに従って経営されている海外の優良中小企業の経営の在り方がそのまま、日本の21世紀の中小企業のグローバルスタンダードの見本となりうるからです。米国の経済は確実に持ち直してきています。年内にはOE3が終了する見込みです。となれば米国短期金利はおのずと上昇するはずです。ドル高がかなり高い確率でおこると思います。とすると海外の中小企業の独自性の高い商品が関税撤廃も含めて日本へ怒涛のように流れ込んで来る可能性が高いということです。競争相手は国内の中小企業ではなく海外の、しかも自国の景気に支えられた企業が競争相手になるのです。

 ドラッカーはこう言っています。「機会を追及し脅威を排除しなさい。」 技術的情報は世界を駆け巡っています。技術的革新による対応は年々難しくなっていきます。日本の技術革新の優位性は昔の話です。現に技術で生き抜いてきた企業はことごとく外国の企業にM&Aされています。また内需型企業の技術革新は大きな後れを取っています。海外シエァ〇〇%等という企業は稀です。内需型は国内での需要に対応していますからどうして変革が遅れます。

 そのような状態の中で海外の優良中小企業がニッチ戦略で日本国内の市場をターゲットにしたらひとたまりもありませんね。それを迎え撃つためにもグロバールスタンダードの経営をいち早く取り込んで体制を整えておかなければなりません。(世界基準に耐えうる中小企業戦略)

 折角ドラッカーを学んでいるなら、活用するのがドラッカーのマネジメント理論、集中の決定と市場地位の決定ですね。「組織のエネルギーと資源を正しい成果に集中すること」の実践です。経営者はドラッカーは勉強するものではありません。実践するものです。

 ちょっと話がそれますが経営学の答えは一つです。しかし、経営は結果を出すこと、答えは一つではありません。したがって経営はマニュアル化できません。だからこそ経営者の能力によって差が出るのです。ドラッカーの文献はあくまでも経営学です。それを実践することで成果に対する複数の答えを導き出し検証するからこそ経営なのです。ドラッカーの本を読んで「勉強になった・・」で、実践に移されなければ夢にすぎません。経営者としてあまり意味のない時間の使い方ですね。

 話は戻します。企業に求められるもの、それは社会の関心ごと「独自の貢献・働く人を生かす、社会への貢献」です。独自の貢献、に最も貢献するものこれが「パーソナルホスピタリティ(超・超・個別化戦略)」です。米国の優良中小企業の殆どが持ち備えている独自性が「超・超・個別化戦略」です。徹底したお客様第一主義です。日本の中小企業が何処までこれをやり切れるかです。

 企業規模や店舗数、従業員数を争った時代は終わりました。徹底したお客様第一に資源を集中できるか。そして、社員が働くということを通じてどれだけ社会に関わっていけるか、人を活かすとは働く人を幸せにすることです。経営者が真剣に従業員の幸を考えるか。さらに、適正な利益を確保するためにキャッシュフロー経営を実践し納税という社会の義務を果たすか(納税額の少なさを自慢するような経営者は経営者としての資質が問題視されますね。しっかりと社会に貢献するからこそ経営者のプライドですよね)。
このような基準をしっかりと持つことが世界基準の中の優良中小企業と言われる存在になることだと思います。

 最後になりましが、そしてそのような海外の企業に多くの優秀な日本人が責任ある地位で活躍している姿を見ると日本人の勤勉さ、優しさ、そして決断と行動力の素晴らしさに改めて感じることができました日本人にはこのようなDNAが存在しているのです。海外というグローバルな視野を持つということの素晴らしさを改めて実感しました。
by dokyu-nakanishi | 2013-09-13 15:19 | 日々想う事(感性を磨け)


中西 泰司
(なかにし たいじ)

株式会社どうきゆう社長。自転車レースチームの総監督でもある。

実践で培った経営・人材セミナーは社の内外を問わず人気。


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