今日は私の経営バイブルを紹介します。

私が経営のバイブルとして愛読しているのがA・Hマズローの「完全なる経営」、2001年に発刊された本ですが、この著者であるマズローが立てた問いは「いい人間とは何か、いい社会とは何か、いい経営者とは何か」というもの。全450ページというボリュームたっぷりの充実した内容です。私の聖書みたいな本なんです。

ちょと内容に触れてみましょうか・・長くなるかも・・

まず、ここでマズローは“いい人間”を解明するキーワードはマズローは「健全な人間は仕事を通じて成長し自己実現に向う」と述べてます。

 仕事と人間の関係は相互に影響しあうものであり、優秀な人材がきちんとした組織に加われば、まず仕事が個人を成長させ、次に個人の成長が企業に繁栄をもたらし、さらに企業の繁栄が内部の人間を成長させるのです。

 そして、マズローはこの文中で常に“完全なる人間(魂のめざすのも)”この本を引用しています。これは1998年に発刊されたマズローの著書ですが、1950年代〜60年代のマズローの人間科学の研究によるものから導き出されたマズローの人間学の原典です。

 もし、皆さんがこの「完全なる経営」をお読みになるのであれば先ずこの「完全なる人間」をお読みになってマズローの人間科学における「成長と自己実現の心理学」を理解する所から始める事をおすすめします。

 私の経営理念の解説に「欠乏動機、成長動機、至高体験、ホメオスタシス」等の言葉が頻繁に出て来ますがその語源はこの著書からの引用であり定義づけする事でその言葉の持つ意味をぶれないようにしています。(広辞苑などでは言葉の持つ本来の思想が定義できない)

次に“いい会社、いい社会”を紐解くにはマズローのシナジーの定義を理解しなければいけません。マズローはこのシナジーを12項目に分類し定義を検証しています。

 その元となるのがルース・ベネディクトの「シナジーとは利己主義と他利主義を融合せしめる社会的・組織的な仕組みのことであり、対立性及び両極性を乗り越える事によって、利己主義と他利主義とい二分法が解消され、両者を超越した高次元の新たなまとまりが形成される。これは、自分自身の利己的な満足を追求することが自ずと他者を助けることにつながり、逆に愛他的な行動を取る事が自分自身の利益と満足につながる、という組織上の仕組みによって可能となるものである。」と述べています。このルース・ベネクトの定義をマズローは多面的に考察し二分法の超克や楽しみを語りわかりやすく定義しています。

A・Hマズローと言えばピラミットの絵に書かれた「5段階の欲求説」を思い浮かべるでしょうがマズローが1970年に他界されるまでに人間の心の問題を深く捉え、人間主義的アプローチから生み出された「人間主義経営哲学」を混迷した時代の理想郷としてマズローが希求した完全さであります。私がこの本に出会ったのが2002年、でも本当にこの本を理解できたと思えたのは最近なんです。7年間この本と共に歩んできました。物凄く奥の深い内容です。

今、私はもう一度この経営哲学の原典にふれ、厳し混迷の時代を生き抜くバイブルとして管理や生産性に縛られた「合理的主義経営」からの脱却を誓い「従業員のための従業員の企業」を目指し「人間主義経営」の実践に取り組んでいます。この内容が少しでも経営者の皆様の参考になればと思っております。

           ・・・・やはり長い文書になってしまいましたね、でもこれを語ったら永遠に終わらないかも・・・(笑)

A・Hマズロー著:完全なる人間(魂のめざすもの) 上田 吉一訳

A・Hマズロー著:完全なる経営 金井壽宏監訳 大川修二訳

                                より・・・
by dokyu-nakanishi | 2009-04-03 00:04 | 日々想う事(感性を磨け)


中西 泰司
(なかにし たいじ)

株式会社どうきゆう社長。自転車レースチームの総監督でもある。

実践で培った経営・人材セミナーは社の内外を問わず人気。


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